池田亮司
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人間に勝つのは、はるか未来の話と思われてきたコンピューター囲碁の世界が、
画期的なプログラムの登場で大変革期を迎えている。確率(勝率)を重視した「モンテカルロ法」
の採用で棋力が急上昇。「将棋よりも先に、囲碁の名人がコンピューターに敗れるかも」と
大胆な予想をするプログラマーもいる。
●すでに「アマ三段以上」
06年にイタリアで開催されたコンピューター・オリンピアードで、モンテカルロ法を
使ったフランスのプログラム「CrazyStone」が優勝(9路盤部門)し、コンピューター
囲碁界に衝撃を与えた。19路盤でも「世界最強」の呼び声は高く、東京で開かれている
コンピューター大会UEC杯で、07、08年に連続優勝。昨年は青葉かおり四段に
7子局で完勝し、解説にあたった鄭銘●(●は王へんに皇)九段は
「アマ三段以上はあるかも」と絶賛した。
従来のプログラムは「一間トビ」「ケイマ」などの「知識」を大量に覚えさせるのが
一般的だった。1960年代の開発初期以降、プログラマーたちの努力で棋力は
向上したが、級位者のレベルは脱していなかった。
主なゲームの考え得る局面数はオセロ=10の60乗、チェス=10の120乗、
将棋=10の220乗、囲碁=10の360乗といわれる。囲碁は最も変化が多く
すべてを調べるのは不可能。また、将棋では飛車10点、歩1点などと駒を
点数化して評価に役立てているが、囲碁は石に役割の差はなく、局面によって
価値は頻繁に変動するため難しい。
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